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技術紹介

Blue Ever Blue 社の製品を特徴づけるHDSS技術とは?

Blue Ever Blue 社の製品には、”HDSS®=High Definision SOund Standard" と呼ばれる新しい技術が搭載されています。
HDSS®は、米国のTBI Audio Systems LLC(以下TBI)によってその基礎が開発され世界に提唱されている新しい音響技術です。 低コストで飛躍的に音質を向上させることが可能な技術として、TBI自身の製品に加えて世界の様々なAV機器メーカーの製品に採用されています。


HDSS® の開発背景

HDSS®をひとことで表せば、どのような環境下でも歪や濁りのない自然な音の再生を実現する技術であると言えます。
人間の耳は広い幅の周波数の音を聴くことができ実際に生活の中で様々な音を聴いていますが、人にとって心地よい音とはそれが加工されずに発せられたままの音だというのが、HDSS®技術の開発者である Jan P Plummerの考えでした。例えば山の奥で耳を澄ませた時に、完全な静寂よりは風の音・木々のざわめき・鳥のさえずりなどが混在した方がリラックスできます。人の話す声や演奏する楽器の音なども、リラックス感・心地よさという点では加工されないそのままの音、つまり目の前で直接聴くのがが最も好ましいと言えるでしょう。
こうした感覚はおそらくその人が生まれ成長していく過程で徐々に形成されるのでしょう。よって、何を心地よく感じ何に違和感を覚えるかには当然個人差がありますが、それでも多くの人にとっては自然なままの音が最も心地よいのではないかと思います。



Dr. Jan P Plummer(左)と Bentley Plummer氏 (米 Bluer Ever Blue 社長)
(平成25年1月17日 アトランタのTBI Audio Systems本社にて)

一方で、CDやテレビ最近ではパソコンを経由して再生される音には、もともとの音が録音されて電気信号として記録され、その電気信号が音という空気の振動に変換される過程で、様々な加工・影響が付与されます。アナログとデジタルという異なる要素間の変換に起因する影響を始めとして、電気信号へのノイズや(音声)アナログ波形の歪や乱れ・共振・共鳴などたくさんの要素が存在します。
中でもスピーカー(&イヤホン・ヘッドホン)は最も重要な要素の一つで、例えばせっかくきれいな(=もともとの音を精度よく模した)電気信号をスピーカーに入力したとしても、その性能・性質によって再生される音のクオリティは大きく異なります。 音声イコール空気の振動であることを前提とすると、温度や湿度が常に変化する中で、かつ閉じられたエンクロージャ・ルームの下で、高音から低音までの幅広い周波数帯域で正確な音声を再生するのは非常に難しい技術です。
従来はこうした課題に対して、(1)キャビネットや振動版に重く高価な部材を用いたり、振動板の数を増やしたり、あるいは全体を強固に据えつけたりといった方法でなるべく振動板を正確に運動させるか、(2)あえて波形に加工を施すことで課題を覆い隠すかといった方法が取られてきました。


対してHDSS®技術においては、後述する”ETLモジュール”の配置とチューニングにより、従来より遥かに簡易的かつ効果的な手法でこの課題を解決しています。
HDSS®技術の特徴は、以下の3つに要約することができます。

1) 歪のない正確で自然なサウンドの再生
2) 3Dサウンドによる自然な臨場感の実現
3) ストレスの緩和


歪のない正確で自然なサウンドの再生

スピーカーのエンクロージャーやイヤホンのキャビネット内に配置されたETLモジュールが、主として内部圧力の変化や局所的な微小気流の発生に基づく振動板への悪影響を抑制し、広い音声周波数帯域において振動板の正確な動作を援けることで音源ソースの正確な再生を実現します。
HDSS®技術を搭載した製品を試聴していただくと、必ずと言って良いほど頂戴するコメントは以下の3つです。
- 音を小さくしてもバランスが崩れずに本来の音が聴こえる
- 従来のイヤホンやスピーカーでは聴き取れなかった音が聴こえる
- 人の声が極めて明確に聴こえる(歌はもちろん、会議の録音やニュース・落語・語学教材など)
これらの印象はつまり、録音された音が正確に再生されていることを示しています。


3Dサウンドによる自然な臨場感の実現

通常のサラウンドシステムは、サラウンド配置された複数(基本的には5+1台)のスピーカーの使用を前提にして音声信号に加工を施したもので、確かに周囲から立体的な音が聴こえるという臨場感に溢れています。一方でそれは、奥行きのある(奥行きを想像させる)映像と組み合わせて非日常的な経験を楽しむという目的には素晴らしいと思えますが、調整の難しさやコスト面での課題もあります(当然ながら価格の安いサラウンドシステムは「サラウンドっぽい」音がするだけです)。
一方でHDSS®は録音された音を忠実に正確に再現しようとするものですから、録音されたままの自然な立体感を得ることが可能です。これは左右の区別だけではなく、例えば前側に位置する楽器の音は前にあるように、ギターの弾き語りであれば声とギターの音が上下にある感触が伝わってきます。
特に上位モデルはイヤホンの標準を遥かに超える音場の広さと臨場感を持っており、動画やライブ音源など特に臨場感が欲しい場面に大活躍します。


ストレスの緩和

歪や濁りのない自然な音であるが故に、聴き疲れしにくいという長所も備えています。
HDSS®を採用したスピーカーやイヤホンは何か特殊な音を出したり音質を変えているわけではありませんが(※1)、それこそ何時間でも聴いていられるようなストレスのない聴き心地を提供します。
この特徴は、どちらかと言えば音楽鑑賞にどっぷりとのめり込む時ではなく、リビングや寝室などでくつろいでいる時、店舗や職場でのBGM、通勤・通学時などに、より大きなメリットを感じることができるでしょう。

(※1 HDSS®技術の特徴に関し「波長・波形を変える」または「ノイズフィルタリング」という説明を行っているサイトがございますが、技術的観点からこれらの表現は正しくありませんのでご注意ください。)

従来のスピーカー・イヤホンとの対比

   項目  従来のスピーカー・イヤホン  HDSS®採用製品
 1  音質  ノイズや歪があり細部の表現力に乏しい  クリアでフラット
 2  ストレス  長時間聴くと疲れる  長時間聴いても疲れない
 3  人の声の再生  不明瞭・実際と異なる  鮮明で実際の声に近い
 4  躍動感  曖昧  自然な躍動感
 5  音場  帯域が狭く不明瞭  広帯域で明瞭
 6  低音量時の再生  不安定でノイズが多い  明瞭でバランスが良い
 7  振動  多い  少ない
 8  低音の再生  不明瞭  明瞭かつ自然
 9  リスニングルームの必要性  良い音を聴くためには必要  不要


HDSS技術の核心 - ETLモジュールとは?

HDSS®技術のコアとなるのは、ETL (Embedded Transmission Line) モジュールと名付けられた特殊な部材をエンクロージャ・キャビネット内および振動板の背後に設置することにあります。この部材の素材・形状および取り付け方とその効果については、日本を含む主要国において特許化されています。
このETLモジュールは、エンクロージャ・キャビネット内の内圧を温度変化・再生中の音・残響・定常波の有無等に依らずに一定に保ち、振動板の正確な動作を援けます。

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